賃貸アパートの贈与と地代
2017.05.01
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父親から賃貸アパートを贈与で取得しました。土地は、父親の所有のままで、地代は払っていません。相続税対策として、父親に地代を支払った方がよいでしょうか。
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父親が賃貸建物をそのまま持っていれば、建物については、貸家として固定資産税評価額の70%、土地については、貸家建付地として、借地権割合が60%の所なら、路線価額で計算した金額の82%の評価になります。
子供が賃貸建物の贈与を受けた場合には、賃貸アパートの賃借人に贈与時と相続発生時で賃借人に変更がなければ、父親所有の土地は貸家建付地として評価できます。賃借人が変わっていれば、更地価額での評価になります。
相続対策として地代を払うときは、注意が必要です。相当な地代に満たない地代しか払わないとしたら、差額が父親から子供への贈与とされます。相当な地代(年額)は、過去3年間程度の土地の相続税評価額の平均額の6%として計算できます。相当な地代を払えば、土地の相続税評価額は賃借権として20%分を差し引いた80%になりますが、相当な地代は高くなるので、子から親への財産の移転により、相続税対策とは、逆行することにもなります。