相続時精算課税制度
2018.02.01
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娘に自宅の建物を贈与ないし譲渡したいと思いますが、どうしたらいいでしょうか。
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本件の場合、譲渡より贈与の方が簡単です。譲渡の場合は、実際にお金のやりとりも必要になります。建物(家屋)を贈与する場合は、家屋の固定資産税評価額で贈与することになります。家屋の固定資産税評価額は、さほど高くないのが一般的ですが、それでも、普通の贈与ですと、年間110万円を超える贈与には、贈与税がかかります。そこでお薦めできるのが、相続時精算課税制度を使った贈与です。
これは贈与税の特例ですが、60歳以上の父母ないし祖父母から、20歳以上の子または孫に対して2500万円まで財産を無税で贈与できます。もっとも、相続が発生した時は、この特例を使って贈与した金額を相続財産に含めて相続税の計算をします。
税務上の手続きとしては、贈与した年の翌年の確定申告の時期に贈与税の申告書と相続時精算課税選択届出書を必要な添付書類と一緒に税務署に提出します。なお、この特例を選択した後は、毎年110万円まで贈与税がかからない普通の贈与(暦年基準による贈与)は使えません。ただし、2500万円までは、何度でもこの特例を使うことができます。