相続税及び贈与税の税制改正
2025.06.01
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令和5年度の税制改正で令和6年1月1日以降の相続時精算課税や暦年課税による生前贈与の加算対象期間の見直しが行われたと聞いていますが、どのような内容ですか。
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年間110万円までの贈与については、贈与税はかからないということはよく知られています。これは暦年課税による贈与には基礎控除110万円があるからです。暦年贈与に替えて、相続時精算課税制度というのがあります。相続時精算課税制度を使えば、特定贈与者から贈与を受けでも、基礎控除2500万円までは贈与税はかかりません。また、相続時精算課税制度を選択した場合、特定贈与者からの贈与について暦年課税は使えません。今回の改正で相続時精算課税制度を採用しても暦年課税の基礎控除とは別に110万円までの基礎控除があることになりました。相続時精算課税制度選択のメリットが増したと言えます。
もう一つ注目される改正が、暦年課税による生前贈与の加算対象期間の見直しです。相続や遺贈により財産を取得した者が、相続開始前一定期間内に被相続人から贈与を受けた場合は、その贈与財産を相続税の課税価格に加算します。
相続開始前一定期間が従前は3年間でした。これが今回の改正で、令和9年1月1日以降の相続開始から段階的に引き上げられ、令和13年1月1日以降の相続開始からは7年間になります。